※ネタバレを含む場合があります。
宇宙戦艦ヤマト初期シリーズのリメイク作として製作進行中のヤマト2199シリーズ。今作もテレビ放映前に映画館でイベント上映をするという特殊な興業での上映で、この形の上映としては2作目になります。
今作も前作に引き続き昔のテレビシリーズをほぼ踏襲した内容で、初のワープから波動砲の発射、そして冥王星での反射衛星砲との戦いといった太陽系内での戦いを描いたものになっています。
いやいや今回も素晴らしい。
旧作の良さだった燃える部分はそのままに、SF的ミリタリー的なディテールアップが随所に施されていて、まさに舌を巻くほどに素晴らしい作品として仕上げられています。
木星の浮遊大陸や冥王星の海といった当時の大らかさだからこそ許されたような設定も、なるほどと思えるような設定で再構築されていて、改めてこのシリーズが非常に質の高いリメイクだと認識させられます。
反射衛星砲など旧作ではなんでわざわざ効率の悪そうな拠点防衛兵器を設置しているのだろうという感じもありましたが、今作ではあくまで遊星爆弾を作るための装置であり、それをヤマトの急な侵攻に対応して拠点防衛兵器に転用したという再設定の巧さには感心させられます。
戦闘の描写もなかなか良く、実体弾…おそらくは徹甲榴弾による攻撃を描写した浮遊大陸での戦闘も良いものがありましたし、双方がかなり完成度の高い作戦を立て流動的な状況に合わせて紙一重の戦闘を繰り広げる冥王星の戦いも良いものがありました。
今作で非常に良いと感じたのはシュルツのガミラス二級市民としての設定で、ガミラス人からは差別的に扱われつつも、地球に対しては滅亡よりも降伏して自分たちと同様な生き方をすれば良いという立場だと描かれているところです。
これによってシュルツが無理をしてでも戦果をあげないといけない圧力がかかった状態だということがよく描けていますし、旧作ではよく考えると変な感じもあった冥王星会戦時の降伏勧告ですらシュルツ個人の思想やある種の優しさも垣間見える良いものになりえたと感じます。
新キャラクターも今作から本格的に動き始めています。
こちらは割と最近のアニメの雰囲気を意図的に混ぜてある感じで、旧来のファンにはやや厳しいものがあるかもしれませんが、私的にはむしろ旧作の雰囲気よりもとっつきやすいものに仕上げられていると感じるくらいで、ひょっとしたら今後キャラソンその他の展開があるのかもと期待させられてしまいます。
ヤマトが未来世界の宇宙戦艦でありながら、中身はどう見ても海自の護衛艦だというところも健在でした。
今作では食堂の様子が映し出されていましたが、どうやら護衛艦乗りの子孫たちは宇宙へ行ってもトレイに直接おかずを盛りつけたり金曜はカレーの日といった伝統を守っているようです(笑
何にせよ、予想以上に私好みの作品になってきていることは感じます。
このままのクオリティを維持したまま、最後まで突っ走っていくことを期待してやみません。
posted by lasta at 20:20
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
あ行
|

|