2012年10月16日

魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語


鑑賞映画館:TOHOシネマズなんば
スクリーン2
鑑賞日時:10月13日
評価:A

原題:劇場版魔法少女まどか☆マギカ[後編]永遠の物語
製作:2012年 日本
監督:新房昭之 宮本幸裕
出演:
悠木碧
斎藤千和
水橋かおり
喜多村英梨
野中藍
加藤英美里

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※ネタバレを含む場合があります。

前週公開された前編に引き続いての劇場版まどか☆マギカ後編です。
今回は地上波本編の9話から12話をまとめたものになります。

さすがに本編でもクライマックスにあたる部分なだけに最初から最後まで怒濤の勢いで話が進んでいきます。
ストーリー的にはもはや色々言うことはありません。
いい年をした大人が魔法少女アニメで泣いていいんですか、いいんです。

今作は前篇以上に地上波そのままと言ってよく、必要な部分に橋渡し的な映像を新規に挿入して一本の映像としてまとめただけのものと言っていい感じです。
橋渡し的に作られている新たな映像は既に地上波放送やBDを何度も見ている人間にとってはやや冗長な感も否定できないのですが、早送りでいろいろな場面を見せていくだけといっていいよかった前篇の作りよりは遥かに映画としてまとまっていると感じますし、どうしても散漫で見ている側を置き去りにしがちな総集編映画に対し、見ている側が画面上で何が起きているかを受け入れさせるための「間」を作っているという意味でかなり評価できると思えます。

作品の構成としては特殊な回であった10話部分がかなり浮いている感は否定できません。しかしこれは元々の構成として、中盤までの展開を9話でまとめ、10話で一息入れて、11話12話のクライマックスにつなげるという形式だったものを9話から後篇という形で一続きの映像にしたことによるもので、むしろメタ的な映像まで挿入してかなりがんばった編集をしたと感じます。

ただし前篇で感じた演出や作画のブラッシュアップはあまり感じられません。
確かに変わっていると感じる場所は多々あるのですが、作画が安定していなかった前半と違い元々の地上波放映時点でかなり良い出来だった上に、BD版でこれでもかというくらいにブラッシュアップされているパートですので、これ以上何かやっても変化とは感じられても向上とは感じにくいのかもしれません。

また10話部分、12話部分の2回挿入されるテレビ版の主題歌「コネクト」がかなりくどい印象を受けます。
地上波放送ではその歌詞と内容のマッチングも含め、EDとして流れた「コネクト」が非常に効果的かつ感動的だったのは間違いないのですが、ひとつづきの映画の中で短時間に二度も同じ歌を流すのはやはりくどすぎる印象は免れないと思えます。
この場合、歌そのものよりもそこにこめられたメッセージが感動的なわけですので、例えば12話部分ではインストゥルメンタルバージョンを流して歌詞を字幕等で見せるといった工夫があっても良かったのではないでしょうか。

まとめて言えば、後編そのものは悪い出来とは思いません。
あまりにも地上波放送と同じなため何度も劇場へ行こうという意欲には欠けてしまいますが、それは作品の持つ魅力とは別のものです。

ただし、後篇がこのような作りだったことを考えれば、あちこちをぶった切って時間内に無理やり収めたといっていい前編の作りが非常に残念に思えてしまいます。
これならば特に心理描写的な場面をくどいくらい増やしたうえで
1〜5話の危険ではあっても希望に満ちた魔法少女の光の部分
6〜9話の行き着く先には死か絶望しかない魔法少女の闇の部分
そして10〜12話の魔法少女たちの救済とそれによって産まれる新たな世界
この3部作として再構成した方が良かったのでは、そう思えてなりません。

それと、映画終了後に新作の特報が出ていました。
世界観が広がるという意味では嬉しいことではあるのですが、正直言ってせっかく綺麗にまとまっている本編に無駄な蛇足を付けてしまうことになってしまいそうな不安は捨て切れません。
ただの杞憂に終わってくれるといいのですが。





posted by lasta at 18:24 | Comment(0) | TrackBack(1) | ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月11日

魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語


鑑賞映画館:TOHOシネマズなんば
スクリーン2
鑑賞日時:10月7日
評価:A-

原題:劇場版魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語
製作:2012年 日本
監督:新房昭之 宮本幸裕
出演:
悠木碧
斎藤千和
水橋かおり
喜多村英梨
野中藍
加藤英美里

映画生活 goo映画



※ネタバレを含む場合があります。

2011年のアニメシーンを席巻し、多くの賞を総なめにしたあのアニメがスクリーンに戻ってきました。
魔法少女というタイトルと可愛らしい絵柄でありながら少女たちの苦悩と絶望を描き続け、そして最後にはあらゆる現実を受け止めながらも夢と希望を叶えるものとしてまとめあげた傑作、まどか☆マギカです。

今作はあくまで地上波放送の再編集版前編ということで、地上波放送の8話までがほぼ同じ形でまとめられています。
ですので、ストーリー的には新味はありません。
地上波で放送され、もはや何十回見直したかわからないストーリーをもう一度見直すだけと言ってしまえば終わりです。

しかしながら一つ一つの場面のブラッシュアップは非常に素晴らしいものがあります。
BD版ですらあちこちに残っていた作画がおかしな部分はほぼ解消されましたし、新しいOP映像はファンであればかなりぐっとくるものがあります。
一つ一つの場面はテレビ版を土台にしながらももはや完全リメイク版と言っていいくらいの段違いの出来の良さと素晴らしさを持ったものとして仕上がっています。
まさに必見です。

とはいえ、やはり総集編映画です。
地上波放送では放送回の大きな区切りやAパート、Bパート、さらにはアバンまで使って細かな演出が施されていたのですが、一続きの映像として流れていく映画のフォーマットではそのようなことはできないため、総集編としてまとめるとどうしても話の流れに不自然な部分が出てしまうのは避けられないことではあります。
同じ理由で、放送時に存在した間が無いことで余韻に浸ることや、その場面で何がおきているかを考える等、作品をより深く理解するための時間がなくなってしまっています。
また、キャラクターの心理描写のような物語を理解する上で重要な場面がいくつもカットされてしまっていることも気になります。
元々12話という限られた長さに詰め込むだけ詰め込んであるため、何度も繰り返して細かい場面までよく見ないと理解し難い傾向がある作品であるのに、作品を理解させるための手がかりがかえって減ってしまっているのです。
つまり、初見者にはあまり勧められない作品になってしまっているのです。

逆に、全体をまとめて見るための総集編としてはその長さが気になります。
前編130分、後編109分の合計約4時間。
特に後編には新カットが含まれているだろうと予想はできるものの、地上波12話を全て見直すのとあまり変わらないほどの時間が必要です。
これでは総集編の良さである要点をかいつまんで全体を見るというような使い方はできません。

言い換えるなら、作品を理解するには短すぎ、作品を知るための総集編としては長すぎるという、非常に中途半端な「総集編」になってしまっているのです。
これならむしろ、特に心理描写に関する部分を思い切り付け足して全体の流れをわかりやすくした三部作、もしくはそれ以上の構成とするか、逆に本編のストーリーとは別のものを本編の映像をある程度流用した1本の映画として再構成した方が良かったのではと思え、地上波本編の形式を変に守ろうとしたことで中途半端な結果を招いてしまった感があります。

繰り返しますが、場面場面は素晴らしいのです。
新OPも、その映像も、途中の場面も、EDも非常に素晴らしいです。
ストーリーや展開についてはファンであれば今更何を言う必要もないでしょう。
ファンは見ないと損だと間違いなく言い切れます。

しかし、その良さは既に地上波放送やBD/DVDを何度も見て、ストーリーや展開、キャラの心情等を理解しているファン向けのものなのです。
そうでない初見者には非常に勧めにくい映画になってしまった感じで、新たなファンを獲得するいい機会であったものを、固定ファン向けの手堅い商売にすることで逸してしまった感がどうしても拭えません。





posted by lasta at 22:35 | Comment(0) | TrackBack(1) | ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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