2009年10月30日

ユリョン

鑑賞映画館:DVD
鑑賞日時:10月24日
評価:B-

原題:유령
製作:1999年 韓国
監督:ミン・ビョンチョン
出演:チェ・ミンス チョン・ウソン ソル・ギョング  ユン・ジュサン

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※ネタバレを含む場合があります。

「ユリョン」とは韓国語で「幽霊」を意味する単語で、対ロシア借款の現物償還として極秘裏に供与され運用されている原潜の名前です。
そして、この映画は潜水艦を描いた映画としてはかなり珍しい韓国製作の映画ということになります。

何と言いますか、色々と残念な感じがする映画です。

基本的な設定は(どこかで聞いた感じは否定しませんが)悪いものではありません。
何らかの理由により処刑されたことになっている…死んでいるはずの隊員達を集めて実験的に運用している原潜という設定も悪くありませんし、その存在が日米に露呈してしまったために外交問題になる前に秘密裏に、しかし日米にアピールする形で乗員ごと処分してしまおうという発想も理解できます。
それに反発する副長の暴走という筋書きも悪くはないでしょう。
そして、その反発の内容が恐ろしく短視眼的な民族主義に満ち溢れるものだというものもありがちと言えばありがちですが、まぁ良いでしょう。
そしてわずかに(というよりただ一人)残った良識派の主人公がそれを止めるという筋書きも悪くはありません。

ただ何と言いますか、せっかくのいい材料を集めておきながら、味付けを間違えてしまったという感じです。
特に副長の行動はあまりにも突飛で、民族主義的観点からは肯定しえるのかもしれないにしても明らかに韓国の国益に反することをやろうとしていることに、他の乗員は特に疑問を持とうとも、反発をしようともしません。(というよりも、数人の主要人物以外は副長に付き従うその他多数の兵隊扱いでしか描写されていません)
艦長を物理的に排除しながら、その後も完全に艦を掌握し、本来の命令とかけ離れた私戦を行えるほどのカリスマ性を持ったリーダーということなのかもしれませんが、それもいまひとつ伝わってはこず、副長の考えることが絶対正義だと言わんばかりのような空気さえあります。
繰り返しますが、劇中の状況で日本を攻撃することで韓国が得られる利益など殆ど無く、むしろ国際的にかなり拙い立場に立たされてしまうだけのはずなのです。
狂気にとりつかれた副長個人はともかく、他の士官全員が同じ狂気に取り付かれているというには、あまりにも説明不足と言わざるを得ません。

また、死んだはずの人間を名前ではなく番号で呼ぶようにするというアイデアも面白いものの、これも活かせている感じではありません。
一応、番号を個性の無い部品としての人間、本名を過去を持った一人の人間として使おうというような感じもあるのですが、あまりうまく使えているような感じではなく、むしろ名前を使わないことでキャラクタをわかりにくくしてるだけになってしまっている感じすらあります。

まぁ、その何といいますか。
元ネタがかなりバレバレの映画ではありますし、そこに加えてあるヒネリが今ひとつで、どうしてもかなり見劣りしてしまうのは確かです。
ハリウッドの大作アクション映画に匹敵するものを作ろうという意気込みだけは随所に感じられるのですが、その意気込みが空回りしてしまったのかもしれません。
何本か作られていくうちにいいものもできるということを期待したいものです。

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posted by lasta at 06:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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