2011年01月19日

THE LAST MESSAGE 海猿

鑑賞映画館:TOHOシネマズ梅田
シアター8
鑑賞日時:12月16日
評価:A-

原題:THE LAST MESSAGE 海猿
製作:2010年 日本
監督:羽住英一郎
出演:
伊藤英明
加藤あい
佐藤隆太
加藤雅也
吹石一恵
三浦翔平
時任三郎
鶴見辰吾

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画は海上保安庁に所属する潜水士を描いた漫画、ドラマ、そして映画にもなった人気シリーズである「海猿」の最新作で、シリーズ最終作として制作されたものです。
邦画の大作映画としては初めてと言っていい3D版が公開されたことでも話題になりました。

今回描かれるのは、台風による悪天候の中、対馬海峡に作られた日韓共同の巨大天然ガスプラント「レガリア」で起きた不慮の事故で取り残された仙崎や民間人たちの生き残るための戦いです。
台風が通り過ぎるまでは脱出すら不可能という状況の中、次々に襲いかかってくる困難な事態、そして間近に迫る死の危険と戦い続ける姿こそが何よりも見どころと言っていい映画です。
今回は臨時でバディということになる服部の成長がひとつの大きな主題と言ってよく、最初は危険から逃げ出していた彼が、最後は自ら大きな危険がある「レガリア」の中に仙崎を救難に行く姿などなかなか感動的なものがあります。
また、海上保安庁の仲間というものも大きく描かれていて、仲間であるのに救出に行く事ができないもどかしさから、夜が明けて一転救出に向かう姿には心打たれるものすらありました。
はっきり言って、この映画ほどUH-1N…ではなく、ベル412がかっこよく見える映画は無いと言っていいでしょう。

海上保安庁本庁で行われる、国益と人命というテーマのもう一つの戦いもなかなか見ごたえがあります。

ただし、やはり色々と粗はあります。
まず、設定がいまひとつ生かされていません。

今回の舞台は日韓共同の天然ガスプラントです。
韓国の影響もそれなりに大きいものがあるでしょう。
しかし、プラントに乗り込んでしばらくの間だけ韓国海洋警察の姿が見えたくらいで、その後は日本人しか出てきません。
これでは日本国内の事故と何ら違いがありません。
さらに言えばかなり微妙な場所に位置するものでありながら、中国や北朝鮮の影など全く描かれませんし、ロシアが技術協力したという、大丈夫なのかと思うような設定すら出てきます。
もちろん、中国や北朝鮮のような微妙な問題まで手を出すことは娯楽映画としてはあまりにもリスクが大きいものではありますので避けておいた方が無難なのは間違いないのでしょうが、残された人に一人でも韓国人を入れて、意思疎通の難しさなり何なりを描写していれば、この特殊な舞台を活かせたのではと思えます。

残された人々が語る、キックボクシングの趣味や、グーグルアースで「レガリア」を観る趣味と言ったものも、特に活かされるわけではありません。
それぞれ何かの伏線になりそうな気配はありはするものの、結局のところただの面白話でしかないのです。

また本筋と関係ない環菜の現況や、過去の回想シーンがやたらと挿入され、結果としてあまりにも冗長な印象を与えてしまっていることも気になります。
これまでのシリーズは仙崎と環菜の恋愛話を主軸とした青春ドラマとしての一面もあり、ある程度大きく扱わないといけなかったのはわかりますが、既に結婚している今作では大きく扱う必要も感じず、要所要所で信じて待っている姿を描いていればそれで良かったのではと思えます。

また、過去のシリーズのファン向けと思える回想シーンも、はっきり言ってテンポを悪くしてる感ばかりが強く、かといってこれまでのファンを喜ばせるほどの何かがあるとも思えず、ちょっとどうだろうかという感じを受けてしまいます。

さらに言えば、今作の一つの目玉と言っていい3Dですが、はっきり言ってあまり効果的とは言えず、むしろかえって作品の質を落としてるのではと思える程度のできでした。
この程度のできで決して安くはない3D料金を別途取ってるようじゃ、3D人気もあっという間に無くなるだろうと思えてしまうほどです。

などと色々書いてはきましたが、やはり面白いものは面白いものがあります。
シリーズとしては前作でほぼ完結していたところをかなり無理して後日談を作った感もあり、やや微妙な点も無いわけではないのですが、単体で見た場合は決して悪くないできにはなっていると思います。




posted by lasta at 19:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | さ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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