2012年10月11日

魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語


鑑賞映画館:TOHOシネマズなんば
スクリーン2
鑑賞日時:10月7日
評価:A-

原題:劇場版魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語
製作:2012年 日本
監督:新房昭之 宮本幸裕
出演:
悠木碧
斎藤千和
水橋かおり
喜多村英梨
野中藍
加藤英美里

映画生活 goo映画



※ネタバレを含む場合があります。

2011年のアニメシーンを席巻し、多くの賞を総なめにしたあのアニメがスクリーンに戻ってきました。
魔法少女というタイトルと可愛らしい絵柄でありながら少女たちの苦悩と絶望を描き続け、そして最後にはあらゆる現実を受け止めながらも夢と希望を叶えるものとしてまとめあげた傑作、まどか☆マギカです。

今作はあくまで地上波放送の再編集版前編ということで、地上波放送の8話までがほぼ同じ形でまとめられています。
ですので、ストーリー的には新味はありません。
地上波で放送され、もはや何十回見直したかわからないストーリーをもう一度見直すだけと言ってしまえば終わりです。

しかしながら一つ一つの場面のブラッシュアップは非常に素晴らしいものがあります。
BD版ですらあちこちに残っていた作画がおかしな部分はほぼ解消されましたし、新しいOP映像はファンであればかなりぐっとくるものがあります。
一つ一つの場面はテレビ版を土台にしながらももはや完全リメイク版と言っていいくらいの段違いの出来の良さと素晴らしさを持ったものとして仕上がっています。
まさに必見です。

とはいえ、やはり総集編映画です。
地上波放送では放送回の大きな区切りやAパート、Bパート、さらにはアバンまで使って細かな演出が施されていたのですが、一続きの映像として流れていく映画のフォーマットではそのようなことはできないため、総集編としてまとめるとどうしても話の流れに不自然な部分が出てしまうのは避けられないことではあります。
同じ理由で、放送時に存在した間が無いことで余韻に浸ることや、その場面で何がおきているかを考える等、作品をより深く理解するための時間がなくなってしまっています。
また、キャラクターの心理描写のような物語を理解する上で重要な場面がいくつもカットされてしまっていることも気になります。
元々12話という限られた長さに詰め込むだけ詰め込んであるため、何度も繰り返して細かい場面までよく見ないと理解し難い傾向がある作品であるのに、作品を理解させるための手がかりがかえって減ってしまっているのです。
つまり、初見者にはあまり勧められない作品になってしまっているのです。

逆に、全体をまとめて見るための総集編としてはその長さが気になります。
前編130分、後編109分の合計約4時間。
特に後編には新カットが含まれているだろうと予想はできるものの、地上波12話を全て見直すのとあまり変わらないほどの時間が必要です。
これでは総集編の良さである要点をかいつまんで全体を見るというような使い方はできません。

言い換えるなら、作品を理解するには短すぎ、作品を知るための総集編としては長すぎるという、非常に中途半端な「総集編」になってしまっているのです。
これならむしろ、特に心理描写に関する部分を思い切り付け足して全体の流れをわかりやすくした三部作、もしくはそれ以上の構成とするか、逆に本編のストーリーとは別のものを本編の映像をある程度流用した1本の映画として再構成した方が良かったのではと思え、地上波本編の形式を変に守ろうとしたことで中途半端な結果を招いてしまった感があります。

繰り返しますが、場面場面は素晴らしいのです。
新OPも、その映像も、途中の場面も、EDも非常に素晴らしいです。
ストーリーや展開についてはファンであれば今更何を言う必要もないでしょう。
ファンは見ないと損だと間違いなく言い切れます。

しかし、その良さは既に地上波放送やBD/DVDを何度も見て、ストーリーや展開、キャラの心情等を理解しているファン向けのものなのです。
そうでない初見者には非常に勧めにくい映画になってしまった感じで、新たなファンを獲得するいい機会であったものを、固定ファン向けの手堅い商売にすることで逸してしまった感がどうしても拭えません。





posted by lasta at 22:35 | Comment(0) | TrackBack(1) | ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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