2012年06月23日

テルマエ・ロマエ

鑑賞映画館:TOHOシネマズ梅田
シアター3
鑑賞日時:4月29日
評価:A-

原題:THERMÆ ROMÆ
製作:2012年 日本
監督:武内英樹
出演:
阿部寛
上戸彩
北村一輝
宍戸開
勝矢
竹内力

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画はヤマザキマリによる同名漫画の実写映画化で、古代ローマ人が現代にタイムスリップしてきて巻き起こす様々なエピソードを綴ったコメディ映画です。

これはやられました。
基本的にはタイムスリップしてきた過去の人間が現代の技術を見て驚くさまを見て楽しむ割りとありがちなカルチャーギャップコメディとはいえます。
しかし、ただ無知な古代人がうろたえるさまを笑い飛ばして終わりというようなものではなく、その古代人が無理難題を抱えて悩む風呂技術者で、現代で「平たい顔族」が作り上げた様々なものから解決策を見出し、そしてローマ時代に戻って当時の技術でそれらしき…当時としては画期的なものを作り上げて問題を解決していくという一連の流れが作り上げられていて、その真摯なまでのひたむきさ、そして風呂に対する愛情はかなり戯画的ではあるものの感動的ですらあり、ただ笑い飛ばして終わるだけの凡百なコメディ漫画の類とは一線を画していると感じます。

さらにこの映画を引き立たせているのが古代ローマ人を演じる阿部寛で、たとえ濃い顔とはいえ日本人にローマ人役をやらせるのはかなり思い切った、そしてリスクの高い配役ではあったのでしょうが、この映画に限って言えば阿部寛の体当たりの好演もあって全く悪くないどころか、(現代的視点で見れば)ちょっとおかしな人を完璧すぎるほど完璧に演じきっていると感じました。
他のローマ人もそれぞれ濃い顔の役者さんが勢揃いで、そこもある意味見所と言えるかもしれません。

ところでこの映画、前半は割と原作に沿った展開ですが、後半になるに従ってラブコメ色が強くなっていくところが評価が別れる点かと思えます。
原作ではタイムスリップ先はそのたびにバラバラな場所で、あくまでローマ人ルシウスにとっての驚きにみちた異国文化をオムニバス的に描いているだけなのですが、この映画では漫画家志望の女性を軸にしてその女性との交流を描いているのです。
確かにこれは原作ファンにとっては余計な要素でしょうし、前半の勢いが後半で失われていく感があることも否定できないのですが、同時にあくまで短編の連続と言っていい原作のそれぞれの要素に現代日本側のつながりをもたせ、1本の大きなストーリーとしてまとめあげることができていて、これはこれでありなのではと思えます。

まとめて言えば、着眼点と発想がすばらしい原作に、阿部寛のすばらしすぎる演技、そしてローマ帝国の史実と現代日本が絡みあって展開する壮大かつ身近な物語など、どこをとってもなかなかよいものとして仕上がっていると感じました。
後半の現代からローマ時代にタイムスリップするあたりからの流れがちょっと気にはなるものの、それを含めてもかなりの良作と言えるのではないでしょうか。




posted by lasta at 21:34 | Comment(0) | TrackBack(1) | た行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン



※ネタバレを含む場合があります。

この映画は実写版トランスフォーマーシリーズの3作目。
今回はダークサイド・ムーン…月の裏側、あるいは月の暗黒面というサブタイトルが示唆するように、今回はアポロ陰謀論や、月に隠されているものを題材としているのが特徴です。

確かに映像は素晴らしいです。
冒頭のアポロ計画の再現シーンなど、オルドリン氏本人の出演も含め、そのままドキュメンタリー映画になりえそうなほどの出来栄えですし、その後も非常に効果的かつダイナミックな映像が続きます。
3Dの使い方も中々上手く、びっくりさせるような、いわゆる飛び出す映像はあまり無く、アバター的な自然な3D感が心地良く、3D映画の中でも屈指のものだということは間違いなく言えるでしょう。
アクションシーンも前作を引き継いだと言えるような迫力のあるもので、マイケル・ベイらしい米軍を交えた迫力のある場面の連続で、150分超の比較的長い映画でありながら、その時間をほとんど感じることもなく、むしろあっという間に終わってしまうような感覚さえありました。
アクション映画としては、少なくとも映像の観点から言えば最高峰と言っていいほどの出来だとは言えるでしょう。

ただし、ストーリー的にはどうなんだろう…という感を受けてしまいます。
バカ映画としての突き抜けた面白さと爆発力を持った前作と比べればかなり落ち着いた作りである今作ですが、そうでありながらストーリーの流れがいいわけでもなく、描かれた人間ドラマに心打たれるというわけでもありません。
前半のトランスフォーマー達が出てこないシーンは全面カットしても大きな問題は出ないのではと思えるほどの内容の無さですし、中国人スパイとの掛け合いの部分は今からでもカットしろと思ってしまうほどの酷さを感じてしまいます。
後半はアクションシーンが多いため前半ほどの酷さは感じにくいのですが、それでもシーンごとのつながりに疑問を感じる部分はありますし、画面の派手さの割になんか盛り上がりに欠けるという妙な印象を受けてしまうのもまた確かです。
冒頭ではそれなりに大きく描かれるアポロ陰謀論も、米ソの宇宙開発の裏に秘められた陰謀を解き明かしていくというような展開も一応ありはするものの、そこに謎解き的な面白さがあるわけでもなく、そしてそこで得られるものに何か大きな意味があるかと言うとそういうこともなく、結局は思いついたアイデアを適当に入れてみましたくらいの感じしか受けないのが非常に残念です。

まとめて言えば、面白い映画だとは言えるものの、満足しきれない何かが残る、そんな印象の映画です。
前作でやり過ぎて批判を浴びた下ネタが殆ど見られなくなったのはいいことではありますが、綺麗にまとめようという意識が強く働きすぎ、この映画の良さをかえって失わせているのではと思えるほどです。

シリーズも3作目ですし、そろそろ一段落すべき時なのかもしれません。





posted by lasta at 02:13 | Comment(0) | TrackBack(6) | た行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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