2010年12月08日

わが青春のアルカディア

鑑賞映画館:DVD
鑑賞日時:11月13日
評価:B

原題:わが青春のアルカディア
製作:1982年 日本
監督:勝間田具治
出演:
井上真樹夫
富山敬
武藤礼子
田島令子
池田秀一
石田太郎

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画は松本零士の代表的キャラの一人であるキャプテン・ハーロックを描いたもので、代名詞的な艦であるアルカディア号との出会いなど、テレビアニメ版の前日談的な作品です。
当然ながら宇宙を舞台にしたスペースオペラ的なアニメではありますが、ハーロック一族の先祖にあたる航空冒険家の逸話や、WW2時のエピソードにも比較的長時間が割かれていて、戦場まんがシリーズのような宇宙ものではない松本色が顔を出しているのも特色と言えるかもしれません。

まぁ、何と言いますか、今の目で見ればかなり微妙な作品ではあります。
占領下の暗い世界に、突然流れてくるムード歌謡。
行き当たりばったりとしか言いようのない、まとまりのないストーリーに、突然挿入され、そして妙に長いWW2時の話。
WW2時の戦闘機用光学照準器で射撃できるという謎な…無理矢理伏線を回収させるためだけのものとしか思えない機能までついた宇宙戦艦。

言ってみればハーロックと、集う者たちの美学だけが見どころと言ってもいい作品です。
占領軍の司令であるゼーダとの互いに敬礼を行ってからの一騎打ちなどその最たるものと言えるでしょう。

考えてみれば個人の美学に従って叛旗を翻したハーロックはともかくとして、個人的な趣向で私闘に及び、ひいては占領軍全体に大きな打撃を与えてしまうゼーダなど、占領軍司令としての立場を弁えず、自己満足のために周囲を犠牲にしているとすら言えるものです。
しかし、これは美しく描かれ、逆にこれに反する生き方をする者は卑小に、醜く描かれるのです。
言わば理想主義者による現実主義者嫌悪を映像化したものと言っていいでしょう。

ですので、この理想、この美学に共感する者であれば、比較的長い映画ですが、何かを感じることは可能でしょう。
そうでなければ、ただ暗い世界で、何か勝手なことを言ってる連中が適当に暴れてる姿を見せられるだけになってしまうでしょうが。

posted by lasta at 13:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | わ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月12日

湾岸ミッドナイト THE MOVIE

鑑賞映画館:DVD
鑑賞日時:2月11日
評価:B-

原題:湾岸ミッドナイト THE MOVIE
製作:2009年 日本
監督:室賀厚
出演:中村優一 小林涼子 加藤和樹  米原幸佑 佐田正樹 大桑マイミ 菅田俊 石川伸一郎 松本莉緒 袴田吉彦

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画はヤングマガジンに連載された楠みちはる作の漫画「湾岸ミッドナイト」の実写映画化で、首都高湾岸線を主な舞台とする走り屋たち、特に「悪魔のZ」と呼ばれる伝説的、悪魔的なフェアレディZを中心とした話です。
走り屋を題材にした漫画、映画というと「頭文字D」が思い出されますが、あちらは峠でのテクニック勝負、こちらは都市部でのパワー勝負というようなところが特色でしょうか。

で、この映画ですが、正直ちょっと微妙な気がします。
最も気になる点は「悪魔のZ」が持つ魅惑的な部分があまりよく描けておらず、なぜアキオが廃車寸前の車に魅かれたのか、そして何故全てをその車に賭けてしまうほど惹かれてしまうのかがほとんど伝わってきません。
過去の逸話なども語られはするものの、それらはかえって作品全体に雰囲気を壊す微妙すぎるホラー要素にしかなりえていない感があります。
ある意味で主人公のアキオ以上に主人公であるこの車の魅力を十分に描ききれていない時点でこの映画には大きな問題があるような気がします。

また、かなり長い原作の冒頭部分を映画化したことで発生したことではあるのですが、元々あまり長い時間の映画ではないにも関わらず、映画のストーリーには直接関係しないキャラクター・・・秋川零奈やイシダヨシアキ等についの描写がかなり多い印象があります。
ファンの多い原作の映画化である以上、人気キャラを出さないとファンが納得しないということなのかもしれませんが、ストーリー上は殆どただの見物人・・・もちろん続編が作られるなら重要人物になるのですが・・・にすぎない彼女らにスポットを当てすぎ、その割に主人公サイドの描写が不満足なため、全体に焦点がボケた印象すら残ってしまいます。

さらに、これは直線が多く道路幅も広い湾岸線を舞台にしている以上仕方の無いことかもしれないのですが、200km/hほどのかなりの高速を出しているはずなのに、スピード感があまり感じられないのも問題かもしれません。
話の後半にあった(速度で言えば大幅に劣るであろう)一般道での追いかけっこの方が遥かにスピード感があるというのは、やはり撮り方や見せ方に何か工夫が必要だったのではと思えてしまいます。

総じて言えば不満足な出来栄えです。
さらに言えば、1つの作品として製作された映画というよりも、ある程度の長期間放送されるテレビドラマの第1回スペシャルという感がある作品です。
そう考えれば必要以上に挿入される各キャラクターの紹介的な場面や、その割に薄い主人公サイドの描写、そして全体に漂う微妙な安っぽさも看過されうるでしょう。
そして本当にそうであれば、ドラマとしては高水準のカーアクションを堪能できたでしょうし、そしてその後続いていく多くのキャラたちによる交流やバトルを楽しみにすることもできたでしょう。

しかし、非常に残念なことにこれは独立した映画なのです。
そして一つの作品としては、光る部分はありはするものの物足りないものが色々と残る、そう感じてしまうのも確かです。

posted by lasta at 04:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | わ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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