2009年11月03日

ワイルド・ワイルド・ウェスト

鑑賞映画館:DVD
鑑賞日時:10月29日
評価:A-

原題:Wild Wild West
製作:1999年 アメリカ
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:ウィル・スミス ケヴィン・クライン ケネス・ブラナー サルマ・ハエック  テッド・レビン M・エメット・ウォルシュ バイ・リン

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画は南北戦争直後のアメリカを舞台にした、西部劇でありながらスチームパンクというあまり類を見ないようなかなりとんでもないアクション映画です

いや、これは面白い。
もちろん、まともな西部劇ではありません。
スチームパンクものと見てもかなりとんでもないです。
あえて言えばアクションコメディということになるのでしょうが、もうそういう細かい分類を気にすることすら無意味なくらいの勢いを持った映画です。

レトロフューチャーなメカがこれでもかとばかりに出てくるのももちろんですが、そんな特殊な世界の魅力に負けないだけの魅力を持った主人公2人もなかなか良く、細かい掛け合いの部分まで(かなりアメリカ的な下品さを持ってますが)面白いものがあります。
これで敵役が平凡だと激しく興醒めするところですが、これがまた反則だろというような魅力的なキャラを作り上げていて、もう素晴らしいの一言です。
特に主人公2人は全く相容れないようで実は補完し合う関係という、非常に良いコントラストを描いている印象的なものでした。

ストーリー的には何も考えていないジェットコースタームービーと言っていいようなものではありますが、その背景にはアメリカの歴史がしっかり練りこまれていて、これはこれで悪くないものになっています。(と言いますか、全体にアメリカの文化や歴史についてある程度知識が無いとかなり敷居が高いネタが多いような気はします)

というわけで、かなり面白いです。
バカ映画バンザイと言いたくなるくらいです。

上映当時はかなり酷評されていたようですし、ラジー賞を総なめにしてしまったようですが、実際見てみるとこれはこれでかなりよくできた娯楽映画だと思います。

posted by lasta at 06:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | わ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月11日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION鑑賞映画館:梅田ブルク7 シアター6
鑑賞日時:7月10日
評価:A-

原題:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE.
製作:2009年 日本
監督:庵野秀明 摩砂雪 鶴巻和哉
出演:緒方恵美 林原めぐみ 宮村優子 坂本真綾 三石琴乃 山口由里子 立木文彦

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画はヱヴァンゲリヲン新劇場版第2作で、概ねテレビ版の7話から19話ほどにあたる内容ではありますが、前作がテレビ版とほぼ同じ内容だったのに対し、今回は大きな流れそのものは踏襲してはいるものの、新キャラが登場するなどテレビ版とはかなり異なった内容になっています。

今回の注目点はやはり、テレビ版と大きく異なった人物の描かれ方でしょう。
テレビ版で描かれていたキャラクターは、シンジを初めとして精神的にどこか壊れた人たちばかりで、作品を通してそれが大きく変わることもなく、むしろ内に内に閉じこもっていく感じでした。
物議を醸した最終2話と劇場版はこの状態からの回復過程を描いたと言っていいようなものではありましたが、抽象的な画面の連続の中で自問自答をしながら最後は心の壁を破って「おめでとう」という殆ど自己啓発セミナーのようなもので、はっきり言って見ていてあまり楽しいものではありませんでした。

ところが今回のエヴァは何か違います。
人とのつながり、そしてそれによる心の成長というものが描かれている感じです。
これはかつてのエヴァンゲリオンを決定的に特徴付けたネガティブさと特殊な精神世界に自ら背を向けて、思春期のポジティブな成長物語にシフトしたと見なすことができるのかもしれません。

そして、もう一つ気になるものがあります。
ラスト近くでカヲルが言った「今度こそ君だけは幸せにしてみせる」という言葉です。
テレビ版でも特異な存在だった彼ですが、この台詞からみて幸せにすることができなかったシンジ…つまり、テレビ版のことを知っていると見なせるでしょう。つまり、今回のエヴァはテレビ版の単純なリメイクではなく、パラレルワールドであり、(作品内での意味で)やり直されているものだということがここで示唆されているわけです。

ということは今度のエヴァは、人と人とのつながりを否定しきったシンジを利用し最終段階で不完全に終わったテレビ版の人類補完計画を「やり直し」、人と人とのつながりを信じるシンジによる人類補完計画が遂行されている、ということになるのではないでしょうか。
そう考えれば変更点の多くに合点がいきます。

綾波レイはサードインパクトのキーになる存在でもあり、何としてでも心の交流を深めておく必要があるでしょう。これはかなり丁寧に(もはや恋愛ドラマかというほどに)描かれていました。
人間不信の大きな原因ともなっている父親との関係も早期に修復しておくべきでしょう。これについては、いくつかの場面で修復への示唆がされています。
逆に、テレビ版の中盤、主に今回の映画版で描かれたあたりでシンジとの関係が強く、そしてそうであるが故に最終段階でシンジの心を乱し、結果として人類補完計画完遂の失敗要因ともなったアスカの存在は引き気味に扱うしかありません。
劇中でもレイに恋敵としての意識を見せていたようですし、そのままの流れならテレビ版と同様にアスカに心が動くかもしれなかったのですが、アスカが行った役割の一部を引き受ける新キャラを登場させてまでかなり強引に退場させられてしまっています。
もちろん彼女は死んではいないようですし次回では復活するようですが、この時期にシンジがアスカではなくレイを選んだということの影響は大きいでしょう。

つまり、全ては「シナリオ」の書き換えであって、そのために必要な変更がされている、ということになるのではないでしょうか。

そして、この流れだと仮定すればどうなっていくのでしょうか。
かつての劇場版では本質的に他人を拒絶するシンジが、そうであるが故に他人を愛し、傷つけられる世界を欲したことで計画は失敗しました。
では、他人を愛し拒絶しないシンジなら…
やはり、他人を愛し、傷つけられる世界を欲するような気がします。
ただし前の時とは違い、新しい世界の「エヴァ」の首を絞めたりはしないとは思いますが。

もちろん、ここに書いたことは完璧に邪推ですので、大外れの可能性は極めて高いです(笑


で、邪推ばかりでも何ですので今回の作品についても書いておきます。

シンジがポジティブになったことで作品の陰湿さが抑えられ、単純にアクションものとしてかなり楽しめるできになっています。
この点に関してはテレビ版とほぼ同じでどこか遠慮がちな感じもあった前作より遥かに良いです。
CGを多用した立体的な画像のできもかなり良く、最近増えてきはじめている3D映画として上映すればかなり気持ちいいものになるのではないかと思います。

人物描写も割合丁寧でいい感じです。
が、新キャラがかなり浮いてる感じで気になりました。
というよりも彼女、アニメが好きな方々が好きそうな要素を詰め込んでみました、という感じしかうけないのですが、どうなんですかね。
よくわかりません。

全体としてはかなりいいのですが、いきなり流れてくる童謡フォークソングはかなりどうかという感じがありました。
製作者にどういう意図があるのかはわかりませんが、かなり違和感があるだけでなく、雰囲気まで壊してしまっている感じがありました。

何にせよ、娯楽映画としてはかなり良いできであることは間違いなく、細かいことは気にせずアクションのみを楽しむ方が、この作品に関しては正解なのかもしれません。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破


posted by lasta at 09:05 | Comment(2) | TrackBack(1) | わ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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