2013年02月11日

007 スカイフォール

鑑賞映画館:MOVIXココエあまがさき
シアター4
鑑賞日時:1月16日
評価:A-

原題:Skyfall
製作:2012年 イギリス アメリカ
監督:サム・メンデス
出演:
ダニエル・クレイグ
ジュディ・デンチ
ハビエル・バルデム
レイフ・ファインズ
ナオミ・ハリス

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※ネタバレを含む場合があります。

007と言えば知らない人はいないであろうスパイ映画の代名詞的シリーズで、この映画は23作目にあたるシリーズ最新作になります。

一言で言えば、さすがに面白い。
007と言われて思い出されるような荒唐無稽な秘密兵器やアクションはあまり見られず、そういう意味では大人しい出来ではあるのですが、その分ストーリーや世界観といったものでグイグイと魅せていきます。

今回は新旧交代的なものが大きなテーマとして描かれているようで、旧世代の代表的な存在であるMが、言ってみれば同じ旧世代の仲間である(一度は切り捨てた上に、もはや任務に耐えられるような身体ではなくなっているはずの)007にありえないほどの肩入れをしていく様子と共に、その旧世代が新世代に受け継がれていく姿が描かれていきます。
このために、007が任務に失敗する様子や、酒に溺れる姿のようなカッコ悪い姿もこれまでになく描かれていますので、単純なヒーローものとしてのスパイ活劇を見たい人には辛い映画になっているかもしれません。

しかしこれは同時にこれまで培ってきた旧世代のものをリニューアルし、次の世代に引き継がせるという、50年という長い年月をかけて築き上げてきた大シリーズの一つの集大成的な作品と仕上がっているわけで、一つの作品として非常に見応えのあるものとなっているわけです。

もちろん過去のものを単に全否定しているわけではなく、かつての「ボンドカー」アストンマーチンが印象的な場面で出てくることでもわかるように、これまでのファンへのサービスは全く惜しんでいないばかりか、古いものでも使いどころが合えば力を発揮できるといったところを描いた上で、それでも時代に合ったものに引き継がれていくということを描いているところは特筆に値します。

映像や演出、舞台設定等もかなり良く、それらを通して表現される心理描写等も非常に効果的だと感じられます。

残念なところは敵として登場する相手がやや小者臭がするところでしょうか。
こちらは元々は007と似たような境遇からMI6の凄腕エージェントとなり、任務の過程でMに切られた、言ってみれば007の合わせ鏡的な存在です。
言い換えればもう一人の007のような存在ですので、うまく描ければそれこそアメリカ映画の人気ヴィラン…… 例えばマグニートーやダース・ベイダーに匹敵するほどの魅力のあるキャラにもなりえたところなのでしょうが、Mへの精神的依存というところをある意味リアルに描き過ぎたせいか、ちょっと壊れたマザコンのストーカーという以上のものはあまり感じられず、多くの部下を率いる大物という雰囲気は殆ど感じられません。
それどころか何でこんな変なのに付いてくる部下がいるんだろうとすら思えてしまうほどです。

まぁ、それを含めてもいい映画としてまとまってると思います。
基本的にはシリーズのファン向け映画のような気はしますが、そうでない人も見る価値は十分にあるのではないでしょうか。





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2012年04月09日

TIME/タイム

鑑賞映画館:MOVIXココエあまがさき
シアター5
鑑賞日時:2月23日
評価:B

原題:In Time
製作:2011年 アメリカ
監督:アンドリュー・ニコル
出演:
ジャスティン・ティンバーレイク
アマンダ・サイフリッド
キリアン・マーフィー
オリヴィア・ワイルド
マット・ボマー

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※ネタバレを含む場合があります。

この映画は25歳を区切りにして全ての人が1年の余命を与えられ、この余命を一種の通貨としてやりとりする社会を舞台にしたSF作品です。

さて、この作品の大きな特徴となっている「時間」についてですが、なるほどと思えるものではあります。
技術の進歩で人間は不老不死を実質的に手に入れることができた。しかし資源は限られていて全員を不老不死にするわけにはいかない。そこで一旦全ての人間に「平等」に最低限の時間を分け与えたうえで、それぞれの立場で余命を手に入れろということです。
そしてこの時間を通貨としてやり取りするシステムを介することで、富裕層は無限と言っていいほどの余命を手に入れ、まさに不老不死の存在になりえるのに対し、貧困層は数日ほどの余命しかなく、それを少しでも伸ばそうと日々を労働に費やす宿命を負い、そしてやりくりがつかなくなった人はそのまま死ぬのです。
つまるところこの映画で描かれているのは、自分に残された時間という資産を用いた資本主義社会であり、その階級構造そのものです。
そしてここで通貨として使用されているものが他でもない人間の余命、言うならば生命そのものであることにより、現金や貴金属のように要らない人は特別欲しがらないというものではなく、基本的には誰でも…それこそ本当に長時間を生きて全てに飽きてしまったような人以外は欲しがるものであり、欲しがらない人は死ぬしかないものとして描かれているのがなかなか上手いと思えます。

ただし、この映画からは科学が高度に発展した未来社会という雰囲気はあまり感じられません。
設定に大きく関わってくるはずの高度に発達した医療というような描写も特には見当たりませんし、他の部分もあまり未来的な描写は見当たらず、時間のやり取り関する部分以外は現代とたいして変わらない、あるいは現代よりも遅れたものではないかと思える程度のものです。
たとえば、現代の警察にあたる時間監視官は、時間のやりとりそのものはリアルタイムで掴んでいるにも関わらず、特定容疑者の行動をリアルタイムでは監視できず、あくまであちこちに設置してある監視カメラの映像を事後的に見たり、実際に現地で捜査を行なって掴んでいたりと、未来世界の警察とは到底思えないほど牧歌的な印象を受けてしまいます。

さらに言えば、作品を見ているうちに変な既視感にとらわれてしまいます。
数奇な運命の末、富裕層と貧困層の狭間でアウトローとして生き抜く男女。そしてそこに関わってくる警察やギャング…。
そして気が付きます。
ああ、これはボニーとクライドだ、と。
つまり「俺たちに明日はない」のような古典的な犯罪映画を、時間のやり取りというSF設定を入れて再構成したものがこの映画だと言えるのです。
そう思えば世界設定が未来世界にしては変に古臭いのも当然ですし、かなり強引な展開で銀行強盗になってしまうのもそういうものだと納得もできるというものです。

ただ、せっかく自分に残された時間をやり取りできる社会という面白い設定を作ることができた割には古典的な映画の現金を時間に変えただけの安直な作りになってしまっていることは否めず、どうせやるならこの特徴的な設定や、この設定を産み出せるほどの技術力を持った社会という状況をもっと活かしたストーリー展開にした方が良かったのではと思えてしまいます。





posted by lasta at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英数・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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